頭のうちどころが悪かった熊の話
頭のうちどころが悪かった熊の話を読んだ。泣きそうになってしまった。シュールでほっこりする7編の寓話達。こういうのを読む機会ってないなぁと思いながら読んだ。昔はよく読んだのに。巻末の小泉今日子の書評の様に、本棚を選ばない本ーどんな本棚、子供部屋にも書斎にも似合う1冊だと思う。ベストセラーなんて知らずに読んだけど、ベストセラーってすごいんだなやっぱり。
1番好きなのはお客さまはお月さまかな。子どもの頃大好きだった、小さな星の子と山猫って絵本を思い出す。あの絵本は本当に絵が綺麗で可愛くて大好きだった。うさぎのくれたバレエシューズも綺麗な絵本だった。そういう昔大好きだった絵本を思い出す話だった。中にはちょっとシュールだったり、アイロニーが込められた話もあったけど、すごくほっこりしてしまった。
あたしが同じ様な寓話を書けと言われたら無理だろうと思う。こんなほっこりする気持ちを忘れ去っていたし、殺伐としていた。それをこんな素晴らしい寓話を少し読んだだけで改善出来るとは思えない程黒く染まってしまっている。うーん絵本にハマりそうだ。まるでぼのぼのの世界を見て浄化されたみたいだ。
住んでる動物達は、人間の様な汚さやスレた感じはしないのに、どこか似ている気がしたり親しみを感じたりする。不思議だ。また読み直したい1冊。
- 作者: 安東みきえ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/11/28
- メディア: 文庫
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