廃園跡地

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好かれようとしない


  朝倉かすみの、好かれようとしないを読んだ。朝倉かすみの本の中で上位に入るくらい好きかもしれない。朝倉かすみの本の主人公はどこか自分に似ている気がする。なり切れない自分となり切ったのも恥ずかしい自分。相川さんの言う通り、背伸びなんてしない事だ。平均年齢の高い登場人物の面々も色気を纏っている。描写が艶かしい。セックスが不在なのにパーツの描写に女の描くエロスがあってドキドキさせられた。

  しかし風吹は幸せになれるのだろうか。風吹が友達ならオススメ出来ない相手な気がするけど、好きになっちゃったんじゃ仕方ないのかもしれない。




  感想見たら評価が2つに割れてて興味深かった。感想って面白くないって意見もすごく参考になる。そういう風に読んだのかとか、ツボが違うんだなぁと興味深い。朝倉かすみの本の主人公なんてだいたい面倒くさい面々だ。そして自意識過剰でみっともない。格好をつけてもサマにならない。鈍臭い。そう恥ずかしい部分を惜しげもなく描く。耐えられない気持ちも分かる。でもそれをオブラートに包んでコミカルに描く。面白い。それが人間らしい気がして好きなのかな。単純にこの面倒くさい面々が、あたしに似ているからかも知れない。そうあたしは面倒くさい人間なのです。



好かれようとしない (講談社文庫)

好かれようとしない (講談社文庫)