廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

そんなはずない


  そんなはずはない、読破。以下一部ネタバレの感想。

















  朝倉かすみの本は肝焼ける。人に嫌われないような正しさを貼りつけたキャラクターがいない。皆一癖二癖ある。どっちかと言うとイヤラシイキャラなのかもしれない。そんなキャラ達もひと山ふた山ある。そこで無様な転がりを恥ずかしげもなく披露してくれて清々しくすらある。そしてやっぱり文章が上手い。当たり前だけど小説家、という感じだ。大変嫌な話かもしれないが、自身と1番似ているのは鳩子だと思った。計算高さが。そんな鳩子も無様な姿をさらし、共感すらわかせる巧みさ。1番怖くて好きになれないキャラは塔子だ。こんな妹怖い。妹いなくて良かった。奇妙なうちに話が終わった。牛来君とはダメになるかと思ったけど意外。この物語の言いたいことが後少しでわかるような気がする。掴めそうで掴めない不思議な話だ。でも鳩子が段々としっかりしていく気がする。朝倉かすみの本の中で今の所最も自分と似ているかもしれない。鳩子のどうしようもなさと計算高さとイヤラシさが。いやー久しぶりに小説読んだって感じで楽しかった。鳩子の性格のいやらしさ、そっくりで笑った。自分で見ても客観的に見ても嫌な女だ。嫌というかいやらしい、恥ずかしい女である。自分に自信がないから、どうでもいい男ととりあえず寝て、自分大丈夫か確認してるだけなんじゃないのかな。それは何かわかってしまう…。ロクでもない事には変わりがない。



そんなはずない (角川文庫)

そんなはずない (角川文庫)