廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

後悔しないこと、奇跡、当たり前じゃないこと。


  朝倉かすみのそんなはずないを読んで、思い返す。鳩子は、牛来くんを裏切った。でも牛来くんに、裏切りとかよくわからないって言われた。鳩子にはそれが、興味ないと言われたみたいでショックだったのかもしれない。弁解も釈明も聞こうとしない牛来くんにモヤモヤしながら、でも牛来くんが好きだと何食わぬ顔で続く。結果的に鳩子は牛来くんを裏切っている部分があるわけだ。でも、これは小説だから2人が良い部分で終わっている。鳩子は無意味な帳尻合わせを止めたのだった。これが現実だとしたら、上手くはいかない。あたしはこれを見てて思うのである。明日は我が身である、と。

  いつも当たり前に続いている2人の毎日。お互い裏切らないと分かってる、或いは信じている。だからずっと居られる。でも本当は、人と人とがカッチリと時計の針みたいに、噛み合うことが奇跡なんだ。あたし達は奇跡を起こし続けている、今の所。いや奇跡が起きてくれているだけなのかもしれない。そう考えたら、嫌だなと思った。上手くいって、もしあたしと彼氏を分かつのが死だけだったとして、それでも死ぬとき、もっと愛しておけば良かったと後悔しながら死ぬのは絶対に嫌だ。毎日が当たり前ではないことを当たり前に忘れてしまう。でも積み重ねなんだ。幸せだったと思って貰える生活にしていきたい。愛する事は難しい。どうしたら幸せに出来るんだろう。