廃園跡地

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イッツオンリートーク


  イッツオンリートーク読破。絲山秋子めちゃめちゃ良かった。好き。イッツオンリートークの話はしたから、第七障害の話を。

  馬の話で、最初は全然入っていけなかった。オドロキなのは、絲山秋子は破綻した人格の話しか書けないワケではなかったのだ。解説にあるように、病んでる一面と働く女性の一面を持つ、この二面性こそが最大の魅力なのかもしれない。まぁあたしは病んでる方が好きなんですけど。今度は描写が詳細ではあったが、相変わらず人との会話はクール且つ核心には触れずにふわふわしている。そこが魅力でもあるが。兎に角二面性を持ち合わせてる作家なんて多分そういないのだ。しかもキッチリ書いたら書いたで、骨組みはしっかりしてるし、人物描写は相変わらず魅力的なのである。

  第七障害の順子の気持ちは物凄く共感できるものがあった。馬の話はちょっとよく分かんないんだけど、男が好きなのか、縋りたいだけなのか、自分でも分からない気持ちや、このまま何もないまま仕事だけして生きていくのかという不安。その心の揺れは、体験したことがなくて共感というのもおかしな話だが、すごく理解出来るものであった。篤くんは結構理想の男性かもしれない。大事にしてくれて、軽口も叩けて、直球で。素敵。絲山秋子のイメージが病んでるものだったので、篤くんと寝てしまうんでないかと思ったけど、最後まであのままで良かった。寝たら寝たでドキドキさせられるんだろうけどなぁ。絲山秋子の小説は、生々しい描写なんてなくて、寧ろ直球なのに、エロい感じがすごくする。中学生かワイは。

イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)