廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

Looper

 

  映画Looperを観た。

 

 

  一言で言えば荒々しくもメッセージが強い映画だ。スタイリッシュさはない。でもこの映画が言いたい事は良くわかるし、好きだ。

 

  今より未来の現在が舞台で、今にないものがある。今と未来の違いや設定を分かりやすくする為に主人公にナレーションさせたのは余り良くなかった様に思う。ストーリーの上で分かりやすく会話に挟んだ方が良かった。設定が凝ってる故にその設定や前提を説明させる必要があるのだけど、それをいかにも説明として出さずに、観てる人に感じさせられる、理解させるのは重要だ。設定が凝ってる故に説明が多くなってしまったのは残念だ。起きる事象が唐突に思えたりする事もあった。tkなんかは序盤で軽く描かれた割にかなり大きい役割を持ってきたりする。序盤の描き方が軽すぎて、人によっては唐突よりそうきたかと思えるのかもしれないけど。

 

  矛盾点なら幾つか挙げられる。どこかの時間の流れでループを閉じられた世界と閉じられなかった世界、何が違うんだろうとタイムパラドックスを考えてしまうのだけど、この映画はそんなもん無視した方が楽しめる。うーんタイムパラドックスは奥が深い。主役のジョー役のジョゼフゴードンはそこそこカッコ良い。時の流れでブルースウィリスになったのもなんかすごい。ブルースウィリスは相変わらず好きだけど、ブルースウィリス観たくて借りたとしたら、ストーリーのメッセージが強いので、ブルースでなくても良いかなぁと思うけど、ブルースじゃなかったら安っちく見えるのかな。

 

  今のハリウッド映画には、主役とか、この人ってパッとしない若手俳優が多いらしい。確かに昔に比べ筋肉質系は減ったし、シュワ様とかシルベスターとか…。細くシュッとしたのはいるけど、似たり寄ったりスターぽさはないのかも。だからジョゼフゴードンも初めて観たけど、特に印象もない。別に悪いと言うわけでもない。ただメッセージが強いので、別に有名俳優でなくても楽しめそうだ。

 

  子役の子は顔がめちゃめちゃ怖いし、あのエンドでも悪に染まりそうな顔してるよね。怖いよね。不用意な母親とジョゼフの謎で唐突なセックスシーンなんかもいらなかったよなぁ…母親に本音を語らせる為にセックスシーン挟む必要はなかったよなぁ。兎に角この映画は、設定とラストとメッセージ、それが素晴らしいとしか言いようがない。もっと前提をストーリーに絡めて上手く理解させられればスタイリッシュな映画に思えたけど、挾み方が不器用なので荒削りな印象。

 

  ブルースが中国人と恋に落ちるのは、時代かなぁと思いつつ…ハリウッドにチャイナマネーが絡んでるのは本当かなぁとか思いつつ…。最近のハリウッド映画の不自然なチャイナマンセーはね…。

  子どもを守りたいという母親の愛と、妻を殺された男の怒り。愛は1つで同じなのに、その2つはぶつかってしまって、また同一人物なのに、人格が全然違う2人をぶつける面白さ。そして、この映画が言いたい事。立場が違えば正義は違い、その正義で人を殺しても、それは悪への連鎖になる。悪は連鎖する。自分が正義と思って討った1発が、自分の愛する者を殺すという負の連鎖、負のループ、それが素晴らしく表現されていた。それはあたしもまた日常で感じている事だ。誰が傷つけたか、傷つけられた者は怒りで誰かを傷つけ、そうやって悪や人を傷つける心がけループする。そうしてきっと1番弱い人間がそれに染まって、人を更に傷つけるのだ。あたしはジョゼフがブルースを討って、母親と良い感じで終わるのかと思ってた、或いはあんな力を持ち過ぎる子どもは殺す他ないと思ってたけど、ジョゼフはあたしが思うのとはちょっと違う解決法を選んだ。彼がどうしてそこまで咄嗟にしたのか、わからないけど、何故だろうあったかい映画だなぁと感じさせられたのは監督の映し方なのか。EDもすごく良く、余韻のある映画で、良い映画観たなぁと思った。

人によっては心に残るのは、後味の悪さなのか、切なさなのかわからないけど

もしかしたら登場人物誰1人にも共感しなかったからこそ客観的に見られて、この一連の物語の結末に満足したのかもしれない。こんな映画もあるんだなぁ…。

 

 

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