廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

子どもを持てないということ


  子どもが生まれた。勿論あたしの子ではナイ。幸せそうな家族の肖像。お祝いするつもりだったのに、喜びじゃない涙が溢れてきた。声を出して泣きたかったけど、仕事場だったし、わからないように堪えた。余計泣きそうになった。

  結婚が遅れてるのは些かも自分のせいじゃないなんて言えないけど、彼氏はどう思ってるんだろう。あたしもう少しで子ども産めなくなるんだよ?20代からずっと付き合って愛してるって言ってくれるのに、何で入籍には至らないのだろう。チクチクと責め立ててやりたくなる。目の前にニンジンをぶら下げられて永遠走らさせられてる気分。或いは、暗い洞窟をずっと出口も見えないまま彷徨ってる気分。赤ちゃんの話題が出るときあたしがどんな事考えてるか、微塵もわからないの?少しは責められてる気分になりなさいよ。呑気におめでとうなんて言わないで。産んだのはあたしじゃないし。他の男の子でも孕んでやろうかとか意地悪い事を考えても、あたしは別に誰のでもいいから子どもが欲しいわけじゃないんだ。

  きっとあたしにも産めるはずなのに、それを出来ない状況に悔しさとか、羨ましさが滲む。もしかしたらあたしはずっと結婚出来ず、本当に子どもも産めない歳になってからプロポーズされたらどうしようって思ってる。だってもう遅いじゃん。その時あんたはどうやって責任を取ってくれるっていうの?女じゃなければこんな苦しみ抱かなかったのだろうか。産みたくても産めないお母さん達はいつもどんな気持ちでどうやって生きているんだろう。悲しくて仕方ないよね。不公平だ。子どもを殺すような人の所にはポンポン生まれて、望む人の所にはコウノトリはまだ来ない。何やってんだ。もう子どもが作れないなら、あたし別に養子だって良い。あんたが作ろうとしないだけじゃん。毎月あたしの無駄になった卵子達は、暗い暗いトイレの配管の中を流れていく、或いはナプキンの上に着地して棄てられていく。子どもを作らないのならセックスだって不要だ。お前の快感の為にあたしは存在してるわけじゃない。

  結局うんと泣いたらスッキリした。昨日は酷い頭痛だった。泣いてみるものだ。結婚しないと強く宣言して、子宮なんか摘出してしまえば、覚悟も決められるし何も悲しい事なんてないんだろうね。誕生日プレゼント何が欲しいなんて聞かないでよ。あたしが欲しいものはたった一つだし、今のあんたにそれが果たせるなんて思っちゃいない。くれないのなら2度と聞くんじゃねぇ。