廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

先輩が培ってきた倫理観道徳心


  今日は職場の先輩からすごく有難い為になる話を聞いたから忘れずにメモしたい。

  うちの職場は低俗な人間が多いので揉め事がたまに起きる。
家の遠いs君は事務所で仮眠をとっていると、仕事中の先輩2人が来て邪魔だと言った。s君は悪いと思い謝って部屋を出ようとしたらもう50にもなる老害でしかないくそオヤジが死ねよと言ったらしい。s君は頭にきて、その足で店長にもう辞めてやると言ったのだ。もともとs君は仕事場で浮いてて他の人とも揉めていたのだけど。店長は慌てて話を聞いて、何とかおさめたらしいけど、結局件の連中にお咎め?もなく、かと言って仲直りしたワケでもないままだった。

  この話だけ聞いたら何て情けなく低俗な職場なのだろうと思われると思うけど事実なのでもう仕方ない。

  この話を聞いた時に感じたのは、あたしもs君には良い感情を抱いてなかったので、言い返しもしないs君を情けないと思った。無神経そうな顔をして、デリカシーもなく、口下手でいつももじもじしてるs君。仕事がない日でもごみ捨て場のソファーで寝てるホームレスみたいなs君。なんと言うか感に触る奴だ。少し強く言われると小心者のせいかすぐ逃げる。理由はわからないけど、好きじゃない。

  そんな話を先輩にしたら、先輩は別の考え方を持ってた。そのオヤジの方がおかしいと。まず死ねよは余りにも幼稚であり得ないし、注意の仕方なら幾らでもある。ハッキリ言えば良いのに、わかるかわからないようでわかるようにしょうもない陰口を言うなと。そう聞くと先輩の言う通りなのだ。

  先輩はそういう事をもっと言っていくべきだと、注意していくべきだと言った。それを正すマトモな人間が本当にいないんだなと感じたらしい。

  職場の環境は劣悪で、形だけの店長はゲームに忙しく従業員の管理をしようとしない。従業員はこちらに文句を言って来るけど、店長に伝えても念仏だ。接客もしないといけないし、常に強いストレスに曝されている環境なのに、そこまで人の事を考えられる先輩を素直に凄いと思った。あたしはストレスもすごいし、自分の事で精一杯。嫌いな奴で叩けそうな奴は叩いてやる位の事しか頭になかったのだ。

  でもね、先輩。あたしは言った。従業員同士の揉め事で、イジメのような状況に発展してるのは他にもある。あるオバさんは悪口ばかり吹聴してみんなから嫌われてる。確かに一緒にいると精神が参るような人だけど、そんな皆総出で叩く事なのかとあたしは思ってる。それを例えば前に出て言った所で、連中は絶対変わらない。話せばわかる人間ならば話すかもしれないけど、あたしの力で相手を、人間を変えてしまうのは困難だ。あたしは大人になってそれがよく分かった。正義感責任感の強い1人が幾ら正論を述べたって聞く耳を持たない奴は絶対変わらない。そのオバさんに注意をしても絶対変わらない。そのオバさんも性格的に治せない事をよくわかってる。自分が疲弊しても変えられない事だ。そう考えると無意味だし動く気も起きないと先輩に話した。そう大人はそうして動かなくなる。やってもないのに、経験や思い込みで出来ないと言うんだ。

  先輩は言わなくても良い、でも思う事が大事だと言った。人と違う見方や考え方をする事、違和感や危機感を持つ事、染まらない事、思っていれば態度に出るし、それで気づく人がいれば良いし、変えられるとは思ってないけど、そう自分が思う事、そういう考え方を出来る事が大切だと。それで良いやって思うような人間になりたくないって気持ちを持つ事が大事だと教えてくれた。

  ありきたりな事かもしれないけど、今のあたしにはそれすら思いつかなかったし、ちゃんと距離を置いて客観的に余裕を持って眺めている先輩の凄さや、しっかりとした倫理観道徳心が凄いと思った。あたしもそうなりたいけど、心が大分汚れたので足元に及ばないかもしれないけどそうありたい。