ヒート
今日はヒートを観た。荒木飛呂彦が絶賛する1本だ。
男と男のハードボイルド映画って感じだった。登場人物が多く、場面転換も多い。だいたい繋がっては来るけれど、オーシャンズ11みたいに断念する所だった。
ロバートデニーロはいつ見ても渋くていい男だ。デニーロは頭の切れる悪党役。アルパチーノは刑事役なのだけど、どう見てもマフィアはこちらですって感じだ。ただしミニマムだけど。大人の映画で、ゴッドファーザーが好きな人は好きなんでないか。ゴッドファーザー観たことないけど。
映画のトーンは暗く、コメディ的要素なんか当たり前だが一切ない。人間模様、そしてぶっとい死亡フラグが永遠にぶら下がったまま続き、緊張感この上ないのになかなか進展しない。連ドラにしたら10週は持つんじゃないかと思える。171分の映画だし長いはずだ。
デニーロとアルパチーノの豪華共演は申し分ないし、素晴らしい。キャラクターも良かった。あたしはやっぱり女視点で見てしまうので、出てくる女が次々可哀想だった。そう、止めときゃ良いのに、そんなにでかいフラグがぶら下がってるのに、戦場に行ってしまうのだ、男ってバカは。デニーロの彼女も可哀想だった。再度信じたのに結果裏切られてしまったのだ。彼女との未来より、男としての生き方を選んでしまった。男としての生き方を選ぶ奴はだいたい死んでしまうのだ。
素晴らしい映画ではあったけど、正直長い。あたしの中の面白くない映画の条件の一つはクソ長い映画だ。どんなに面白くともテンポが大事だ。2時間程度で人を飽きさせない映画が見応えがあるんだと思う。尺を気にしなくて良いなら、まとまった作品にはならない。ストーリーよりもそれだった。
例えばデニーロの頭の良さを表すシーンなんかはなかなか面白かった。しかし、ラスト1番盛り上がるハズのシーンも…あそこまでして決着つけなきゃならんかったのか?ということ。コソコソ隠れて後ろから襲いかかれば良かったのに、広々とした所まで逃げて案の定撃たれるという…。男同士の奇妙な友情とかなかなか良いんだけど、やっぱり男のプライドとか曲げられないものって下らない。下らないのにそれがない男はもっと下らなく見えるんだから不思議だ。
男が女向けの映画を観て共感出来ないのと同じで、あたしもこの手の映画を共感する事は出来ない。ジャンル的にはサスペンスとかアクションでもない、所謂ギャングものと言えるだろうけど、全然興味が湧かないの。残念ながら荒木飛呂彦とは映画の趣味が違うのかもしれない。男と女って全然違う。ただ体とホルモンが違うだけなのに、それだけで環境も性格も思考も変わってしまうのだから不思議だ。そしてそれを理解するのはなかなか困難なのだ。
デニーロもアルパチーノもかっこいいんだけど、渋くて違いがわかんなくなる!因みにアルパチーノの奥さんの子どもはナタリーポートマン。レオンの時の面影が全然ないのでわかんなかった。あの時が1番天使だったなぁ。
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