廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

結局必要とされない人間



  後輩が降格した。それをあたしはまた聞きで聞いた。後輩はあたしを尊敬してると言ってたけど、結局動向を聞くのは直接ではなくまた聞きなんだ。慕われてないって事。しかも最近連絡したばかりなのに。そういうのに対する心の違和感てものを、あたしは忘れてた。何で忘れてたか思い出したんだけど。

  あたしは関わった人の事は大抵好きになれる。どんな人間にも良い所や合う所があるからだ。好きになると独占したくなる。だから自分に連絡がない事は、あたしを傷つけている。そういうのの繰り返しだった。どんなに人に親切にしてもいつもあぶれるし、軽んじられたり、結局必要とされてない。だから、親切にするのを辞めた。傷つくのは御免だし。そしたら本当に人間に興味がなくなった。必要最低限の人間としか会話しないし。そしたら、相手の痛みとか、親切にするとか分かんなくなってた。うしとら読んで、潮みたいな熱い感情があった筈なのに、何であたしは失くしてるのか、考えていた。それが何となく答えな様な気がする。

  あたしは、つき合うのでも難しく考え過ぎたり、過敏過ぎるのだろう。でもそれを抑える手立てを見つけた。もう心を開かず無視する事だ。歳を重ねたせいか、そんな意地っ張りな方法しか出来なかった。素直って何にも代え難い。こうやって関わるのを辞めて、心を閉じれば痛くない。なのに、あたしは…やっぱり慕われる人を羨ましく思ってる。

  仮に慕われても、慕われる人間だってパワーを使うし、気も使う。人に親切を与え続けないとならない。そうでなくても慕われる人はいるだろうけど。あたしは、そういうパワーもないし。人とマメに付き合いを続けていくのも苦手だ。慕ってくれる人とだけ上手くやれる。だから結局あたしは何時までもこのままだし、また傷つきたくないと思ってる。

  色んな人に親切に接してきたつもりだったけど、あたしの周りには人は集まらなかったし。拗ねているわけではない。ちょっと疲れてしまったし。だからあたしは今日も静かに本を読むのだ。或いはあたしは、あたしを慕ってくれる人間を見つける事が出来ないのかもしれない。人の善意とかを、感じ取る事が出来ないのかも。

  彼氏の優しさですら、時々何も感じないのに。性分だから仕方ないのかもしれない。人間に興味があるうちが華だ。痛みを伴うものであるけど、その道を選ばなければ、心は死んでしまう。痛いまま生きていくか、痛みなく死ぬか。でもあたしはもう、そんなにも気にはならないし、痛くもない。死んでいるんだろう。