廃園跡地

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天使の処刑人 バイオレット&デイジー


  天使の処刑人バイオレット&デイジーを観た。

  これはあのシアーシャローナンが出てたしガールズムービーぽかったので借りた。シアーシャローナンと言えば、ラブリーボーン、ハンナに出てたあの不思議系な雰囲気を持つ、瞳が綺麗な可愛子ちゃんです。ハンナはストーリーがぐちゃぐちゃではあっけど、御伽噺の様に美しく、嫌いではなかったなぁ。

  相方のアレクシスブレデルさんは、シンシティに出てて、まさかのアラサーらしい。前髪下ろしてるのがキツい感じはあるけどツンツンしてて可愛かった。お姉さんて感じだ。

  タイトルから確かにアクション系なのかなと思うし、レンタルショップにもアクションで分類されてたけど、言うほどアクションはない。気軽な仕事だけ請け負う2人の少女の殺し屋の話で、ある仕事で巻き込まれるってパッケージには解説があった。これはもしかして、ヘボい殺し屋の2人がマフィアかなんかと対決せざる得なくなるアクションなのかと思い借りた。期待している人は期待を裏切られたであろう。邦題自体が古臭いセンスなのでそこまで期待していなかったせいか、そこそこだった。そう、皆ストーリーに期待すれば低い点になりがちな本作だけど、全体的な雰囲気は皆嫌いじゃないのだろう。以下ネタバレ有りかも…?

  結論から言えば何だかんだとハートフルな物語に仕上がってしまっているのだ。とは言え結局ターゲットを殺したワケだけど、バイオレットとデイジーの関係も変わってしまった。脇役は味のある脇役で素晴らしい。特にNo.1は意外性があって、黒人女性の凄腕の殺し屋って何かセクシーで美しいじゃないのよと思った。ストーリーも嫌いではないけれど、ちょっと間延びしすぎてて、テンポが悪く退屈だ。もっとテンポ良く描かれていれば…現代版テルマ&ルイーズとか言われてたけど、テルマ&ルイーズを観たことないからわからない。今度観よう。それよりもこのヘボい殺し屋の感じは…パルプフィクションだろう!!タランティーノ程ではないけど、設定とたまにねじ込まれるタイトルがにてるし、意識したんじゃないかと思った。うん、これをテンポ良く、オムニバス的に、最後まとめればパルプフィクションになったかもしれない。しかしこの映画の素晴らしい所は、まず音楽が凄くいい。

  何度も観たくなる映画の特徴は音楽だ。パルプフィクションにしろ、キャンディマンにしろ音楽が素晴らしい。この映画に合っているし。そして演出というか、小物。女の子っぽさが現れている赤いヨーヨーやキャンディ。バイオレットとデイジーのティーンエイジャーっぽいはしゃぎっぷりも可愛いし。キャピキャピしてる女の子が観たいなら、ラブライブよりバイオレット&デイジーを観ることだ。

  ただ残念なのは、ローズの謎が解かれなかったということ。謎というか、バイオレットの相方は何故死んだのか、作中で説明はなく謎のままである。バイオレットが抱えているのであれば、ローズの死はバイオレットにも責任があったのかもしれないし、バイオレット自身が始末せざる得なかったのかもしれない。或いはローズの裏切りで始末せざる得なかったバイオレットはそれ以降心を閉ざしたのかも。そしてゴロツキ連中にゴミ箱に閉じ込められたバイオレットはどんな仕打ちを受けたのか。作中で明らかにはならなかったが、やっぱり弄ばれてしまったのだろうか。そして、ラストの意味深なシーン。バイオレットのじゃあね、デイジーって台詞が引っかかる。そしてあげてしまった欲しかったナントカのドレス。あのドレスもそもそもケッコーダサくて、あんなの欲しいのか?って感じだったんだけど。身辺整理をしている様に見えたり、最初の殺しで、デイジーは、バイオレットに告げずに足を洗うんじゃないかとあたしは感じた。多分あのまま、バイオレットには会わず姿をくらますんじゃないかと。

  この映画が言いたかった事は、憧れていた少女期からの決別で、階段を登り大人になる女性がテーマというのを、色んな人の感想を読んで知った。そういうテーマなのか。スタンドバイミーって事なのか。この映画で満足出来たのはやはり、全体的な美しさ。少女の無邪気な戯れや可愛さ。なのでバイオレットとデイジーも仲直りしてハッピーエンドになって欲しかったなぁ。冒頭位の軽いノリの映画でも良かったなぁと思う。何にせよ好きな部類の映画だけど。シアーシャローナンはちょっと鼻がおっきいんだけど、それがまた可愛い。完璧すぎなくて、でもすごく綺麗であどけなくて可愛かった。素敵な女優さんになって欲しいなぁ。


天使の処刑人 バイオレット&デイジー [DVD]

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