廃園跡地

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奇人たちの晩餐会


  奇人たちの晩餐会を観た。リメイクじゃない方を。クスリとくる喜劇。面白いというより、緻密だと思った。音楽もとても良い。フランスの喜劇って初めてだわ。恋人たちの恋愛事情がフランスっぽい。












  ネタバレ有り。この物語はバカを笑い者にする晩餐会が開かれるのだけど、物語はとても緻密に描かれている。観て驚いたのは丁度自分もぎっくり腰で、主人公もぎっくり腰。動けない最中、恋人は出て行ってしまうという修羅場中の修羅場。寝てるわけにもいかないのに、体は動けない。更にはバカにするつもりで招待したバカに、見事なまでに滅茶苦茶にされるという。

  コメディではバカに滅茶苦茶な展開にされるけど、上手く転んで意外に良い方に行くというのが古い定番に思う。多分Mr.ビーンとか。子どもの頃最初に触れた洋画のコメディがMr.ビーンだったせいで、暫く洋画コメディは地雷だと思ってた。

  兎に角この物語のすごい所は、1人のバカに滅茶苦茶にされる所だ。妻が出て行った後、医者を呼ぶ為に誤って電話した先は、浮気相手だったり、浮気相手を追い返す様に言われて、奥さんを追い返してしまったり…そして本当にこういうバカっているんだよなって思う…。話しても何かに夢中になり過ぎて、記憶が5分も持たない奴。そういう人って本当は別の所で真価を発揮したりするわけだけど。

  でも人を嘲笑うってのは醜い事だし、この物語でもそういう戒めがちゃんと描かれている。そして最後の最後でちゃんとオチもついてるし、物語としては素晴らしいと思う。テーマや緻密な設定、着眼点全てが素晴らしい。笑えるかどうかは別だけど…。完全に外側から見れば喜劇なのに、これ当事者だったら悲劇じゃないの…ぎっくり腰を患うあたしはそう思った…。