廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

怖いこと


  ISILに拘束されていた日本人は残念ながら解放されなかった。

  当初この事件を聞いた時、色々な思いが浮かんだ。あたしはずっと香田さんの事を忘れていない。最も香田さんと彼らの目的は違ったのだけど。ジャーナリストは命をかけて、戦地を取材しているし、それで救われる人もいる。尊い仕事だ。しかしリスクも相当にある。

  色んな意見はあった。やっぱり当時から言われていた自己責任論が強い。言ってしまえばそうだ。しかしリアルは分からないけど、ネットで吹き荒れる過激な言葉や自己責任論は…とても多い。勿論危ない所へ行かないのが1番安全なのだけど、今やそんな事も言ってられない。仕事で現地を訪れてる人もいる。況してや拘束されてる人たちの過去を掘り起こして避難材料にするのもどうかと思う。言われて仕方ない部分もあったかもしれないが。

  日本人は、大多数の考えに当てはまらない人を排除する。ある意味鎖国をしている様なもので、紛争地域の平和について真剣に考えてる人は少ない。そんなのは、あたしもそうだし、きっと世界中でもそうかもしれないけど、ジャーナリストにはもっと敬意を表しても良いと思うのだ。しかし、朝日新聞がデタラメな事を書いたり、この国のメディアそのものが信用ならないから、ジャーナリストやジャーナリズムそのものに懐疑的なのかもしれない。だからわざわざ紛争地域に行く意味も分からないのだろう。

  今回の事件を率直に残念に思う。政府に交渉ルートがないのは前からだけど、全てを政府のせいにするのは簡単だ。問題はそこなのか。自己責任論にするには余りにも重い。勿論全てはISILが悪いのだけど、今回の事で言葉も通じない、人間とは思えない人達という事だけはよく分かった。過激派のイスラム教徒は最早、言葉は通じない。アッラーが全てなんだろう。現実の命よりも思想が全てなんだろう。

  誰が悪いとか、そういうのはもう言っても仕方ないのだ。責任の所在を明らかにして、楽になりたいのかもしれないけど、もう誰にも責任はない。拘束された時点で分かってた。生きて帰れるワケがない。

  捕まった2人に関しては確かにおかしいと思う節もあった。2人の人質の為に、それも多分助からないのに、交渉ルートもなく、他国にひたすらお願いするだけ。迷惑かけて申し訳ない気がした。

  今朝、例の画像を見てしまった。現実感がなかった。しかしこれがずっとネットの海の中に消えずに残される。人の死が、物凄く軽く扱われている。なんて残酷だと思った。遺族の気持ちを考えると、生まれた子の気持ちを思うといたたまれない。そしてこれからは日本人だってターゲットになる時代だと思った。9条があろうがなかろうが、狙われる時は狙われる。それは、法律に人殺しを禁止する項目があっても、人は人を殺すし、人は殺されるのと同じ事だ。殺される瞬間は、法律なんて守っちゃくれない。

  9条は理想として掲げ続けなければならないが、無法者こそ言葉など通じない。国内にいたって安全である保証もない。ネットの中もそうだけど、人が死ぬ事を祭りに思い、何とも思わない人が多いのかなって思ったら、それってすごく怖いことだなと思った。