廃園跡地

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キャンディマン


  やたら人気?な作品、キャンディマンを観た。以下ネタバレ有り。




  兎に角OPとEDの音楽が良い!悲しげで不気味な音楽。これ暗闇で聞いたらけっこう怖い。エクソシストみたい。

  OPからして80年代、ビバ!アメリカって感じだ。公開は92年とかだった気がする。この時代のホラーは今見ると映像もハッキリくっきりしてないから、余計不気味さや安定感がある。とても好き。

  キャンディマンとは、鏡に向かってキャンディマンと5回唱えると、キャンディマンが現れて殺されてしまうというよくある都市伝説。キャンディマンを研究する美人大学院生ヘレンが巻き込まれていく。

  このヘレンを演じたヴァージニア・マドセンがめちゃくちゃ美人。目がばっつり。美し過ぎる。そして相棒の女性も綺麗。

  実はキャンディマンの正体は長身の黒人で、トニー・トッドという人が演じてる。なかなかイケメンだ。そして何故か質の良さげなロングコートを着ている。    キャンディマンは、都市伝説の怪異が人々に忘れられないよう口伝されていく事で生きながらえている。なので研究者にそんなの都市伝説と存在を否定されると死活問題なのだ。逆に都市伝説として口伝され続ければ恐怖は続く。こういう感じの話は好きだ。


  全体的にツッコミたい箇所はたくさんある。この映画の全体的におどろおどろしい様な気のする雰囲気は他にはなく素晴らしい。ホラー映画で黒人スラム的なものが出てくるとは思わなかった。でも壁の落書きとか気合い入ってる。蜂うじゃうじゃシーンもすごい俳優たちの気合いを感じた。

  物語は、都市伝説キャンディマンを否定したヘレンがキャンディマンに殺人鬼に仕立てあげられてしまうのだけど、キャンディマンって殺人する時物理的に殺してるんだろーか。そうだよね多分。でもビデオやカメラには映らないの。実体化できる都市伝説なんだろうね。最強じゃないの。

  日本の都市伝説だと殺されるのが、物理的なものによる死ではなくて、だいたい呪い殺されるものだ。病死、不慮の事故死。日本の都市伝説は、実体化しても怪異を人に見せても物理攻撃はあまりしないイメージだ。口裂け女とかは…鎌で殺すとか聞いた気がするけど。

  兎に角キャンディマンは実体化する都市伝説で、しかも物理攻撃可能でバッサバッサ殺し、恐怖を与え、さらに都市伝説として残るという営業をしているのだ。この映画はそこでミスリードさせてくるのかもしれないけど、取り憑かれたヘレンが殺しまくってるかもしれない。殺戮シーンはないので定かではない。端から見たらヘレンが殺人鬼なわけだし。キャンディマンそのものが、都市伝説を研究し過ぎたヘレンの妄想かもしれない。

  結局赤ちゃんが誘拐されたりしてるのでキャンディマンはいたであろうということなのだけど。最終的にキャンディマンが目論んだ通り、消されても今度はヘレンが都市伝説として生き続ける、ミイラ取りがミイラになった的な終わり方をする。この終わり方も好きだ。

  でもあたしはキャンディマンに恐怖を覚えなかった。これがおどろおどろしい見た目であれば、怖いと思ったかもしれない。例えばフレディに出会ったら倒せそうな感じしないし。アイツ夢では無敵だからだ。キャンディマンも鉤爪がついてるので強いのだろうけど。キャンディマンが怖くない理由はたくさんある。単なる都市伝説としてその姿を見なければ怖いままでいたかもしれないけど

キャンディマンが黒人である以上怖くはないのだ。何故か。だって普通に生きてる様に見えるんだもん。顔色とかわかんないし。てか顔に傷とかないしさ、生きてるのとなんら変わらないし、無駄にお洒落でその辺歩いてそうなんだもん。怪異は非日常だから怖いわけで。鉤爪ついてる位じゃなんとも思わない。キャンディマンの住処にキャンディ置いてあったり、キャンディマン実は寝たりとか、人間らし過ぎて、しかもヘレンを襲った理由も人間らし過ぎるし。殺人鬼としても、武器が中途半端よ。血の飛び散りがあんまりないもの。

  やっぱり怖いのって、生きてるか死んでるかわからない人とか、顔色悪いとか、儚げとか、この世のものでなさそうな人とか、非日常なものが怖いと思うわけで。キャンディマンめちゃめちゃ元気で人間ぽいんだもん、全然怖くないのよ…。しかもイケメンですやん。あんなお洒落でワンピのクロコダイルみたいなコート着ちゃダメよ。そういう意味では、白人の方が怖く見えるとは思う。肌の色が元気そうなので、黒人の幽霊はなんか怖くない…。

  なのでホラー映画としてはイマイチ。音楽と主演女優が素晴らしい映画です。続編あるらしいので、続編に期待。