廃園跡地

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シャーマンキング


  名作と呼び声名高いシャーマンキングを読んだよ。

以下ネタバレも含めての感想だよ。










  結構酷い内容であった。何故これが名作と言われてるか不明。検索したら名作とは言われてなくて叩かれてたwww

  シャーマンキングの魅力はキャラクターだ。キャラクターはとても良い。特に葉は、バトルものの少年漫画でもあまり見かけないユルさで、優しくて好かれると思う。持ち霊の阿弥陀丸もボケたりツッこんだり、強かったりかっこよかったり、侍としての部分も描かれていた。

  アンナはヒロインとしては薄いとか言われてたけど、個人的には好きだ。葉を揺らぎなく愛し、あの強さ。葉王のお母さんに似てたのでまさか生まれ変わり?とか勝手に考える。また心が読めるが故に傷ついていて、可愛げのあるアンナも可愛い。ユルい葉だからアンナみたいな嫁が必要なんだろう。

  蓮は友達の中でも一際良かった。ホロホロの強さとか過去とか、明らかになっても他のキャラより動機が弱過ぎてちょっとよくわからなかったけど、蓮の成長からツンデレは良かったと思う。ホロホロもキャラは良かったけど、心乱してキレ杉。

  チョコラブは唐突に出てきて、こいつ仲間なのかよって思ったけど、逆にもっとコメディアンとして活躍出来た気がする。ここまできたらもうスベり芸ってことで。このやり方で葉の心も少しは癒せた気がするのだけど。或いは物語の展開も少しは変えられたかも。

  リゼルグは最初からずっと泣き言ばかり言ってる鬱陶しいキャラで、だからこそ弱かったのだと思う。地獄から帰ってきて良かったね。

  好きなキャラはたくさんいるし、それがカブってないのがシャーマンキングのすごい所だ。例えば出番は少なくとも潤は可愛かった。メイデン様も。なにげにファウストのデザインはストライクだ。ゴーレムあたりはいらなかったんじゃないかなとも思う。

  そしてマタムネは特に好きなキャラだ。可愛くて仕方ない。読書も出来てあんな落ち着いて悟ってるにゃんこいたら飼いたい位だ。

  シャーマンキングの中でも初期から中期、恐山あたりまでは面白さが盛り上がっていったと思う。

  残念な点
  • どんどん絵柄が分かり辛く、白くなっていっている…
  • 展開が唐突。全ての展開が。
  • 焦点当ててるキャラが多過ぎる。
  • 主要キャラはもっと時間をかけて欲しかった。心情や成長をゆっくり描いて欲しかった
  • 初期のレベルアップは段階を経て、心も成長した描写がありとても良かったのだけど、後半は巫力をあげるために死んで蘇る。成長を感じられなかった。それの繰り返しでウンザリする。
  • 死んで生き返る方が余程自然の摂理に反し不自然な気がする。
  • 読者置いてけぼり…。

  ハオや葉が言う、人が好きではないって気持ちはとても良くわかるし、それをもっと掘り下げて漫画を描けば今後はもっと心に響く漫画を描けると思う。

  そして最後に最も納得いかなかったのは、まん太と葉の関係だ。まん太も結構気に入ってるキャラで、シャーマンではないけど、葉を助けた事もある。何よりあの中では普通の人間であり、あたしはそこに共感出来た。起きる戦いを眺める事しか出来ないまん太に。そして最後は置いてけぼりを食らってるまん太。あれは読者そのものって感じがする。いくら葉がシャーマンキングになろうが、強くなろうが、まん太といて、楽しかった時はもう戻らず、葉はまん太のそんな気持ちすら、知らず、接触も少なくなっていたし、汲み取る事もしなかった。本当に友達なのかなぁとあたしはずっと思っていた。この物語で救われなかった人がいたとしたらそれはまん太なのではないか。あたしはずーっとそう考えているし、人といて感じてる疎外感を、共感できる。最初の大切な友達と言いながら、何でなんだろうとずっと思ってきたし、それは共感してるあたしまでもが、置いてけぼりにされた錯覚を覚える。なんだかなぁ。エピローグ、モノローグ共にまん太だとしても。

  なのでまん太はこの物語で深い事を語りはしないが、かなり重要なキャラクターだと思ってる。活躍もしない。でもまん太が1番共感できて、可哀想なキャラクターだと思う。まん太の扱いは1番納得がいかない。

  シャーマンキングは風呂敷を広げ過ぎた事にも敗因はある。物語を狭く深くすれば、もっともっと良い作品が出来ると思う。特に作者はバトルよりも、ギャグとかラブストーリーでも描いたら良いと思う。どうでしょう?面白さはどうかわからかいけど、確かにジャンプを支えた思い出深い作品であるから、みんなが大切に思ってるのかもしれない。


シャーマンキング完全版 27 (ジャンプコミックス)

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