廃園跡地

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美しすぎる母


  美しすぎる母を見た。以下ネタバレ









  序盤の社交的で上流階級、自分大好きそうなバーバラからもう気持ち悪くて中断しようか悩んだ。場を凍りつかせたり、こっちがヒヤヒヤする。これから息子をどんな毒牙にかけ、蹂躙するのかと思うとちょっと見るのを躊躇う。

バーバラ役のジュリアン・ムーア。顔のつくりは美人なのかもしれないけど、狂気染みてる気がして怖い。父親はイケメンだけどうだつがあがらなさそう。

本題入る前に衝撃だったのは、陰部が!陰部が!ボカシなし!?一瞬だけど、吃驚した。なんせ白人の陰部なんて拝む機会ありませんから。ストーリーよりそっちに釘付けに。

ベークランド夫妻の性行為が気持ち悪すぎて。妻にさして愛情がないのに、謝罪或いは気まずさ代わりにする誘惑に乗ってヤってしまう旦那。キモチワルイ。時折吐く言葉に育ちの悪さを感じさせるバーバラ。勿論被害者はトニーです、始終。


父親はトニーの彼女と出て行って、トニーは男とデキてる。更には親の友人?の男にも抱かれ、男は母とセックスして、最終的には多分3p。映画だからなのか奔放です。

一般的な家族の温かみを欠いた家庭でトニーがどう育つのかは一目瞭然。バーバラは可哀想な人だったんだろう。貧しい生まれのせいか、お金があれば幸せになれると思い、上流階級に憧れた。憧れたは良いけれど、欲望は底無し。渇いて渇いて仕方なかったのだろう。あたしはこういう人間を怖く感じる。

母親の面倒を相続させられたトニーの心中は良くわかる。子どもの頃から親の洗脳の元毒牙にかけられ育てられ、親が間違っているとわかっても、親を捨てられなくなっている。言うまでもなく毒親であろう。心は常に虚無であったろう。


父親不在で、母子2人きりの閉鎖的な関係は虐待を引き起こすには絶好だし、心理学でもその危険性は取り上げられる。この映画を見て確信する。母親という人種は怖いし、子どもを自分の玩具にする。うちの親も似た部分があったので、そう思える。それがアバズレであればもっと恐ろしい結果を招く。

トニーはバーバラに育てられ拘束されていたが、幸い大人であったし、トニーが選んだ選択は、トニーにとって最良であったのだろう。閉鎖的な空間では、子どもは2つ位しか選択肢がない。逃げるか、従うかだ。1番卑怯なのは父親であろう。

バーバラを唐突に刺したの様に見えたが、トニーは多分ずっとずっとたまっていたものがあったし、何も変える事が出来ず、ウンザリしていたし、バーバラが鬱陶しく耐えられなかったのであろう。最早セックスの始まり以前から、どうでも良いと投げだして、変わらぬ状況に無気力になっていたのだろう。賢者タイムの隙に、逆上し刺して、ハッしたけど抵抗する気力もなく、デリバリーなんか頼んだんであろう。

色んな人の評価を見るとやはり芳しくはない。何一つ伝わるものがなく、駄作とされている。驚いたのは実話に基づく作品だった事だ。もっとトニーの心情を描いても良かった気がする。合作らしいが、フランス映画はこんな感じで情緒を読み解くものだから、見終わった後の方が寧ろ気分が良い。

あたしはトニーの視点に立って眺めて居たので、トニーは復讐を遂げたし、満足だ。まぁ映画に登場する題材にされた母親は大抵狂ってる。


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毒になる親

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