嫌いなもの。

  妹が結婚する。目出度いと言っとこう。でも結婚するのはあたしじゃないのでドウデモイイ。別に妹と仲が悪いという訳ではないが。

  憂鬱なのは結婚式に招待された事だ。あたしは友人がいないので、招待された事は二回しかない。一度目は恩師の結婚式なので参加した。しかし記憶力が劇的に欠落してるせいか記憶にない。

友人の結婚式は祝電のみ。理由がある。

  あたしは小さい人間なので、人の幸せを祝えない。嫉妬する訳ではないのだけれど、シラけてしまう。結婚式なんてのは、周りにお知らせするだけの儀式、或いは自己満だと分かってはいるけれど

  その自己満に付き合う優しさを持ち合わせていない。御免ね。

  

  何が嫌ってたくさんある。わざわざ招待をされて、その一日の為にわざわざ衣類一式を揃え、その一日の為にわざわざ休みをとり、目の前で幸せを見せつけられた上にご祝儀まで取られる。

  寧ろ逆じゃなかろうか。幸せなんだからこっちになんかバックしてくれと。ああ、心が狭い。狭いけど本音だ。

  人の幸せを喜べる人なら良かったけれど。結婚式ってのはどうも、馬鹿馬鹿しい。

  ここからは余計な妄想だけど、ブーケ投げる時とかに妹が変に気を使って、あたしに投げたりとかしか日にはいたたまれない。早く結婚しろってことかいっ。

皆の視線が、売れ残り的な目線でこっちにきて目立つじゃろーが…。その様な戦慄の事態が起きませぬ様に…。

その日が来たら鉄壁のハートで挑まねばならぬ。

子どものうちは結婚式したいって憧れるモンだろう。でも歳を重ね、巡り巡ればこれほど人に迷惑をかける儀式もあるまい。こんなものするつもりもないし、段々結婚もどうでもよくなってゆく也。