廃園跡地

言いたい事を言いたいまま!

別れの季節


  秋は別れの季節なのか。後輩が彼女と別れた。一方彼女と別れた先輩はヨリを戻したのだけど。こうなる気もしていた。女に振り回されている。別れを武器に交渉するのが効果を発揮するのは最初だけだ。

  その後輩と彼女は結婚すると思っていた。彼女はいい歳だったし、後輩も彼女と趣味もぴったり合っていたからだ。ラ彼女の方がかなり歳上なので時々は悩んでいたようであるけれど、ラブラブであると思っていた。時々しっかりしてと自分の年齢以上のものを求められてる気はするとボヤいていた。あたしは彼氏とぴったり合い過ぎて、寸分のすれ違いをも怖いと思うようになっていたので、そのすれ違いが亀裂を生むのも危惧していたけど、杞憂だと思った。

  大人しく、とても出来た女性だった。挨拶や贈り物、全てをしっかりしてる印象だった。ただ後輩の仕事の愚痴を余り聞いてくれないというのも知っていた。永く一緒にいるならばそういうメンタル面のサポートが大事なのも感じた。

  多分上手くいかない仕事の愚痴をこぼすうちに、彼女が嫌がり口論となり、終わりを後輩が感じてしまっていたのだろう。努力家だったけど、仕事は軌道に乗らず焦りも感じていたのだと思う。弱っている時にそういう事があって、感じてしまったのだろう。結婚するなら俺じゃなくても良いと彼は言った。それはあたしが彼氏に言われた台詞だった。結婚を焦るがゆえに、それならば結婚しないなら俺じゃない方が良いと。傷ついた。

  彼女には彼女なりの事情があったのだろう。しかしもう少し愚痴を聞いてあげても良かったと思う。後輩が憔悴してたのはあたしにもわかっていたし、目に見えていた。誰にも気を使わせたくないし、使いたくない。そう言って後輩は別れた。後輩のふらっと線路にも飛び込んでしまいそうな覇気のない声に、なんて声をかけていいか分からず、逃げ出したいとすら思った。

  別れた人に言えることなんてない。今は仕事を淡々とこなすしかないのだ。せめて、彼女の事情だって上手くいけば、時間を置いても良いなら2人は上手くやれたのに、と思う。結末を早めて損ねるなら、遅くとも着実に到着出来る方が良い。